家路の車窓
2002/04月号
2002/04/02火曜日
「旅立ちの日」
僕にとって教え教えられた,はじめての学生が旅立つ日を迎えました.寂しくなる気持ちもありますが,それ以上に嬉しい気持ちが大きいです.昨年,僕自身が転出するに当たり前職所属を旅立つとき14年間いたものですから,自分自身なんとなく寂しい気持ちを持ちました.おそらく,学生の皆さんも旅立ちに際し寂しい気持ちを抱いていると思います(抱いていて欲しいと言うのが僕の本音ですが).そこに残る者には,自身の環境の変化がありませんから,それほどの寂しさを感じないのかもしれません.旅立ち,異なる環境に身を投じなければならない状況の中で,安住の地であった前の環境を手放さなければならないことが非常に寂しく思わせるのだと思います.
でも学生の皆さんは若く,無限に近い未来と希望があります.必ずや,これから身を投じなければならない異なる環境の中に,自分を高め心休まる環境を見出すことができます.頑張って新しい環境を手に入れてください.また,心休まる環境を創造した後は,さらに自分を高めてくれる環境を目指してください.
けれども,皆さんが心を休ませた環境は,今現在またこれからも大学に残りつづけることになります.そこにいる人たちが異なっていても,自分がいたと言う証はどこかに残り続けると確信しています.自分が使った机,眠気覚ましのコーヒーを飲んだコップ,憧れたアイドルの写真,実験中に聞いた音楽CD,汗をかき模索しながら仕上げた卒業論文です.ですから忘れずに,思い出したら遊びに来てください.その頃の思い出を語りながら飲みましょう.これも人生の歓喜そのものだと思います.そのためには,健康には気をつけてくださいね.それでは,また元気に,どこかで会いましょう.
2002/04/02火曜日
「4月1日という日」
4月1日という日は不思議な日です.エイプリールフールということは確かなのだけれど,何となく不思議な日だと感じました.今朝大学に向かう電車の中の雰囲気がなんとなく異なっているのです.真新しいスーツを着て,落ち着かないのか目をキョロキョロと外の風景に向けている人が数名います.おそらく新入社員や転勤でこの電車に乗ることになった“新しい”車窓の友だと思います.
東京方面に向かう電車は本数が多い上に混んでいるので,どんな人が乗っているか等見る余裕はないと思います.だけど僕は田舎方面に向かう電車に乗るのですが本数も乗る人も少ないので,いつも乗る人の顔や車内での行動も良く分かってしまうのです.この人は,あの駅とこの駅の間に車内トイレに行くとか,「そろそろウォークマンで音楽を聞き始める頃だな,この人は」と思っていると,まず確実に鞄の中からウォークマンを取り出すサラリーマンの人など.なかなか個性溢れる乗客たちなのです.おそらく僕も,土浦駅までお茶を飲みながらキョロキョロしているかと思うと,土浦を出発するとノートパソコンを取り出し何やらヘンテコリンな文章を書いている人,服装(普段,トレーナーを着てスニーカーを履いてます)からするとサラリーマンなのか学生なのか,よく分からない奴と思われているのではないでしょうか.
“新しい”車窓の友の皆さん,ようこそ!!なんとなく落ち着かないでしょうね.昨年の今日も,この電車の車窓の友に仲間入りしたので,その気持ちよく分かります.でも大丈夫ですよ,すぐに慣れます.楽しい通勤時間をお互いに提供するよう個性溢れる行動をしてみましょう(迷惑行為は厳禁ですよ).おそらく,ついこの間,私の元を旅立った学生だった皆さんも,このようにどこかの車窓の風景を創造するのでしょうね.頑張ってください.人間は,“そこにいる”という存在そのものに意味があるのかもしれませんね.