家路の車窓

2002/06月号

2002/06/03月曜日

 

「めだかの学校」

深夜,日本テレビで東大小児科の「めだかの学校」の放送がありましたが,観られた方いらっしゃいますか?「めだかの学校」は,東大小児科で難病と戦う子供たちとその家族をサポートするという活動です.金銭的にとか単なるケアを通じてサポートするというのではなく,患者である子供たちとその家族の人間的活動を支援するというものなのです.分かっていただけるでしょうか?患者である子供たちは,当然なのですが,病気を克服するために病院にいるのです.勿論,その家族も,その目的を達成することを第一に看病生活をするのです.お医者さんも,患者の病気を治すことに全力を注ぐのでしょう.しかし,皆さん,よく考えてみてください.簡単に治る病気ではないのです.確実な治療方法もない病気なのです.いつ直るかも分からず不幸にも命尽きる場合もある中での闘病生活です.そのような状態で,単に病気と闘う“だけ”の人生なんてあって良いはずはないのです.勿論,病気を克服したい.しかし,病気を克服するため“だけ”に生きているのは辛すぎます.患者さんの家族も,出口の見えない看病生活の中でも,懸命に人間としての生活を追い求めているのです.

「めだかの学校」は,このような困難な状況においても,“人間らしく”時間を過ごせる空間を病院の中に作ろうという活動です.お医者さんとしては,治療の妨げと思われるのかもしれませんが,患者さんも,治療だけでなく,人間としての楽しみを持って生活したいと思っているのではないでしょうか?お医者さんの第一の目的は,患者を治療することかもしれません.しかし,人間的な生活を行いながら,治療することを患者さんが望んでいるとしたら.もっと患者さんの気持ちに耳を傾けて欲しいと思いました.

 

2002/06/03月曜日

 

「女性同士の友情」

「フォーエバー・フレンズ」と「ボーイズ・オン・ザ・サイド」という映画をご存知でしょうか?これらの映画は,4番目,5番目に好きな映画です.1番目,2番目の映画はどうした!!と言われるかもしれませんが,それらの映画のお話は,いつか機会があれば書くことにしましょう.なぜ,「フォーエバー・フレンズ」と「ボーイズ・オン・ザ・サイド」のお話をしようと思ったかと言うと,昨日Movie Hitsという映画音楽を集めたCDを買って,その中の「フォーエバー・フレンズ」のテーマでベット・ミドラーが熱唱するWind beneath My Wingを聞いて映画の内容を思い出しいろいろ考えたからです.

「フォーエバー・フレンズ」は,2年前メルボルンに出張し宿泊先のホテルのテレビで観ました.ベット・ミドラーは売れっ子歌手役(CCというニックネーム)で彼女自身そのものの役柄です.スターという華やかな職業とスターであるが故の孤独感に悩む女性を見事に演じています.破天荒な行動をし傷つきやすい性格を持つこの女性と,いつも彼女のことを心配し陰ながら支えている幼馴染の女性の友情を描いています.悲しむべき意外な結末になぜか心が温かくなるという感傷的な映画です.友達の大切さを感じる映画です.

一方,「ボーイズ・オン・ザ・サイド」は,ウーピー・ゴールドバーグが演じる売れない歌手役で,歌手としての成功を夢見て旅立ち,ひょんなきっかけから出会った訳ありの女性3人で旅を続ける中で育まれる友情を描いたロードムービーです.こちらも悲しむべき意外な結末になぜか心が温かくなるという感傷的な映画になっています.

これらの映画のテーマは女性同士の友情です.もちろん映画の中で男性との恋愛も出てくるのですが,友情と恋愛の違いを非常にうまく描いた映画だと思います.傷つけ合いながらも相手を思いやる気持ちを女性の友情として描いています.そんなのは女性の友情ではない,と言う人もいるかもしれませんが,なんか男性同士の友情とは違うものを感じます.男性の場合,一度傷つけ合いはじめると,とことんやってしまう面があると思いますが,女性の場合,傷つけ合いながらも相手を思いやっているという優れた面を持っているように思います.「守る」という母性を本能的に持っているからだと思います.自分は男性だからだと思いますが,こういう友情っていいなぁと思わせてくれる映画です.もし,この車窓を読んで観てみようと思った方,是非観てください.そして,感想を教えてください.

メニューへ戻る