家路の車窓
2002/10月号
2002/10/10木曜日
「電車の中での若者とオッサン」
現在,大阪出張の帰りの電車の中です.ここで観た風景を題材に,この車窓を書いています.よく電車の中での若者たちの無軌道な行動が話題になることがあります.実際,僕が通勤途中で乗り合わせる高校生(特に女子高生)は騒がしく迷惑だなと思うことがシバシバあります.しかし彼らは集団でいると周りに迷惑となる行動をしますが,一人になると意外とおとなしく,また,丁寧な対応をすることが多いと感じます.特急電車に乗っている現在,座席を倒してよいうかどうか,後ろの乗客に聞いている風景をたった今見ました.以前,窓から差し込む太陽の光が眩しかったのでしょう.僕に「ブラインドを下げても良いですか」とたずねてから,その行動に移りました.僕は,非常に気持ち良く感じました.見た目は,金髪で金属類を顔につけている子たちでしたが.
やはり一番迷惑をかけていると思うのは,酔っ払ったオッサンですね.因縁をつけたり,訳のわからないこと言ったり.電車の中で缶の水割りを飲んでは,いつか溢すのでは,と心配させる行動.見ていて全く嫌になります.偉そうに,「いまどきの若い者は...」などという資格はこれっぽっちもありません.このような酔っ払いより,金髪の若い子の方がよっぽどしっかりしています.
ついこの間も,ゴルフ帰りのオッサン8人衆が電車のボックス席で酒盛りをしていて,大声で笑ったり拍手したり,途中で乗ってきた女子高生に嘲笑される始末.また以前の車中でも,酔っ払いのオッサン同士が,新聞が当たった・当たらないで喧嘩が始まったり.先日も,若い子に因縁をつけ始めたのですが,どうも,酔っ払いのオッサンの方がけしかけたようで.若い子は,つい頭に血が上る傾向がありますから,力任せにオッサンをボコボコにしてしまうのかもしれませんが,案外,きっかけはオッサンが作っている場合が多いのではないかと思います.
彼らから見れば,僕もオッサンに分類される年代になってきたので気をつけなければならないのですが,ちなみに,僕は車中ではお酒を飲んだりしません.
2002/10/10木曜日
「努力は裏切らない」
今年のパンパシフィック水泳大会は,日本人選手がかなり活躍した.その中で200m個人メドレーで金メダルを獲得した萩原智子の言葉「努力は裏切らない」という言葉が,私の心に響きました.日本語能力がいろいろ言われている世の中ですが,この20歳代の人がこんなにもすてきな日本語の表現をしてくれるとは.聞いてて涙が出ませんか?彼女は,特に日本語を専門に勉強しているのではないと思いますが,「水泳」という専門を通じて本当に「努力」をしたんでしょうね.なんでこんなに「努力」しているのに報われないのか,という気持ちを通じて「努力」の意味を水泳の練習を通じて考えたりしたのではないでしょうか.
僕は中学生,高校生の頃,自分の机に「努力」と書いた紙を貼って,受験勉強をしていたことを覚えています.にもかかわらず,高校,大学とも第一希望に入学できませんでした.でも,「努力は裏切らない」と思います.なぜなら,結果として入学した高校や大学で得た友人や経験に基づいて,今の自分が存在していると感じることができるからです.結果として入学,就職した場所において出会った人々や研究テーマから,今のように様々なものに興味を持つことができ,種々の考えを持つことができ,このようなコラムを書けることが何よりも楽しいと感じています.人間はただ,“生きる努力”さえすれば,“人生に裏切られない”と思います.