家路の車窓

2003/12月号

2003/12/01月曜日

 

「あきらめない!!」

自分の性格を自己分析すると,かなりしつこい性格のようです.執念深いというか・・・・ある意味で怖いぐらいの性格かもしれません.何をきっかけに怒ったか,喜んだかなども数年前のことでもよく憶えています.例の映像を記憶するようにして.また,その時点々々での希望が叶わなかったにもかかわらず,持ち前のポジィティブな考え方で,ちょっとやそっとのことでは,あきらめない性格になっています.

ある学生さんとの会話をきっかけに,この「あきらめない」という自分の性格を再認識しました.思えば,自分の結婚式の祝辞で,当時の上司から「彼は粘り強い性格で,みなさんに配られたパンフレットにも,剥がされてなるものかと,自分たちの写真を糊付けしています」と評されたことを憶えています.ほら,なかなか粘り強い性格でしょ.10年も前の結婚式の祝辞の内容を覚えているんですから.このときの祝辞の内容から,「あれっ!?僕って,結構しつこい性格なのかな?」とはじめて気づいたという脳天気なところもあります.

でも,僕はこの性格のおかげで,「後悔している」ということは無いように思います.皆さんの中には,ちょっとしたことで諦めてしまっていることってありませんか.あきらめたら,その時点でおしまいです.あきらめずに,前向きな考えを持ってまいりましょう.そうすれば,きっと良いことが待っていると思いますし,たとえうまくいかなかったとしても,自分自身,最大限努力したのですから,納得できるでしょう.諦めたら一生後悔すると思いますよ,「あのとき頑張っていれば・・・」なんて.

ところで,自分のこの「あきらめない」性格は,いったいどこから生まれてきたのでしょう.自分の長男を客観的に見ていると,この子もかなりしつこい性格のようです.取っ組み合いのケンカをすると,「もうやめてくれ」と言いたくなるほどしつこく攻めてきます.環境ではなく遺伝子に刷り込まれているのかもしれません.

 

2003/12/01月曜日

「活字から映像に」

僕は,本を読むのが大好きです.電車の中で本を読むことを楽しみにしています.今は,山崎豊子の「白い巨塔」を読んでいます.最近,唐沢某,江口某なる俳優が出演しているテレビドラマの影響もあるのですが,「沈まぬ太陽」で好きな作家の作品でもあるし,僕が子供の頃,田宮二郎が鬼気迫る演技で話題になった映画もあるので,読んでみようと思いました.現在,第三編を読み終わったところで,様々な画策により教授になった主人公が,医療過誤を起こし医事裁判に問われますが,またも多くの権謀術数により勝訴するというところです.

今回の「白い巨塔」の読書では,面白い楽しみ方を見つけました.原作本を読み自分の頭に描かれる映像とテレビドラマの映像を比較する楽しみです.読書とテレビドラマが同時進行していますから.みなさんも,映画を観た後,または観る前に,原作を読んで,映画と原作の違いを感じたことがあると思います.みなさんは,映画と原作,どちらが面白いですか?たいていの場合,僕は原作を読みながら頭の中に創造される映像の方が,断然,面白く感じます.今回の「白い巨塔」もそうですね.原作の方が面白いと思います.まぁ,テレビドラマでは,それ用に脚色されているのもあるかもしれません.しかし,活字からイメージした映像の方が,実際に製作された映像よりも奥が深いというのは,確かだと思います.

ここで,いきなり学問のお話になりますが,投稿論文の査読も,電車の中で行いますが,これも活字を映像化して内容を理解しているんですね.一見難しそうに見える式なども,活字で書かれているある現象をイメージ化・映像化して捉えると,よく理解することができます.

僕の学問分野は,学生の皆さんから,「変数が多い,式が多い」と言われる分野なのですが,ぜひ,テキストや論文に記述されていることを,イメージや映像として頭の中に浮かべてみてください.そうすれば,「面白い」と思えます.「白い巨塔」の場合と同じように,この創造したイメージや映像は奥が深く,「もっと知りたい」と思ってもらえるのではないでしょうか.

でも,このような活字から映像を創造するには,多少なりとも訓練が必要なのかもしれませんね.いや大した訓練ではありません.ジャンルにとらわれず,「本をたくさん読む」ことですね.絵付きの本,すなわちマンガではダメですよ.

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