家路の車窓

2004/03月号

2004/03/01月曜日

 

「ミッキーマウス」

いきなりですが,ミッキーマウスってすごいですよね.100年近くこの世に存在し続け,常に世の子供たちに愛され続けているんですよ.世代が変わっても,愛されているんですよね.これは凄いことです.小野小町は,かの時代には美しい人で,その時代の人々から愛されたのでしょうが,百人一首に描かれている顔を見ると,今の時代に通じるとは思いません.実際,「小野小町に夢中です」という人に会ったことがありません.

しかし,我が息子・娘は,今,ミッキーに夢中です.先日ディズニーランドに行ってきました.我が家族はディズニーランドに行くと,必ず“ミッキーマウスの家”に行きます,2時間待ちですが.子供たちが,ミッキーに会えたときの嬉しそうな顔は,それはそれは輝いています.僕が帰宅したときの顔よりも輝いています・・・ちょっと悔しいですね.

なぜ,ここまで人気があり,また持続しているのでしょうか?このようなキャラクターは,古今東西でもミッキー一人(一匹?)でしょう.自分なりの考え,考察もまったくできません.斯く斯く然然という理由をお考えの方,僕に教えていただけませんか?

 

2004/03/01月曜日

「足し算の繰上げ」

小学1年生になった息子に,9+9など,桁が一つ繰り上がる足し算(足し算の繰上げ,というのでしょうか)を教えているときのことです.我が息子は,第二項の数を指で準備し,次に声を出して第一項の数字から数ぞえ出して,指が全部折れたときの数字を結果として求めるという方法で行っていました.分かっていただけるでしょうか?でも,これだと声を出さないと答えが出せませんし,時間もかかります.そこで,自分はどうやって答えを出しているのか,あらためて考えてみました.ごく自然にやってきたことですが,良く考えてみると面白いことが分かってきました.

皆さんもそうだと思いますが,まず,第一項にいくつ足すと10になるか考えますよね.そして,その数を第二項から引いて,「十(じゅう)・・・・いくつ」と即座に答えられるようになってますよね.そのとき,何らかのイメージが頭の中に浮かんでいませんか?僕の場合,数字が浮かんできて,第二項の数字から,第一項が10になる分の数が引き離されて,残りの数になるイメージが頭の中に浮かんでくるんです.これは面白い.あらためて自分を見つめなおした気分です(ちょっと大袈裟か?)

ここで大切なことは,自分なりのイメージを持つことです.大学の講義では,学生の皆さんには敬遠されがちな複雑な式がたくさん出てきます.でも,これらはすべて,先の繰上げ足し算と同じような,イメージの上に成り立っているものなのです.大学で扱う内容は,社会現象であったり自然現象であったり,非常に複雑なものですから,単純なイメージではないかもしれません.しかし,複雑と思われがちな式の数々も,すべてイメージの上に立脚しているものです.ですから,このイメージを持たずして式だけ覚えようとするのは無意味ですし,まったく面白くありません.すぐ忘れてしまうし.皆さんが既に獲得している繰上げ足し算技術も,同じようにイメージの上に立脚しているのです.すべては,イメージとしてすべてを捉えているか否かで,その先が決まるといっても良いのではないでしょうか.イメージを持つような努力をしていただきたいと思います.

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