家路の車窓

2004/10月号

2004/10/01金曜日

 

「それでも,やっぱり松井選手は凄い」

以前の「家路の車窓」で元巨人軍の4番,現ニューヨーク・ヤンキースの松井選手が好きな理由をお話しました.2004101日現在,アメリカ大リーグの話題は,マリナーズのイチロー選手の世界最多安打数257安打への道です.どこのテレビを観ても,電車の中で読まれているスポーツ新聞の見出しも,ほとんどイチロー選手の世界最多安打記録の話題ばかりです.どうやら,2004101日現在,NYヤンキースの松井選手は30本のホームランを記録したようです.これも凄いことなのですが,スポーツ新聞の一面にはなっていないようですね.残念です.

でも,僕は,それでも,やっぱり松井選手の方が凄いと思っています.もちろんイチロー選手は稀代の天才バッターであり,僕の好きな野球選手の一人です.バッティングセンスは松井より1ランク上の選手かもしれません.それでも,やっぱり松井選手の方が1ランク上の好きな選手です.

その理由は,松井選手のチームにおける人徳です.巨人時代,彼は本当にチームメイトやファンを大切にした選手です.異国の地アメリカのNYヤンキースにおいても,彼とチームメイトやファンとの関係の良さがニュースで伝えられます.彼は人柄と言う点で他の選手よりも1ランク上の選手であると思います.NYヤンキースは,もともと強いチームですが,松井の所属しているチームは,毎回優勝争いに絡んでいるし,彼には何かチームをまとめる能力があるのではないかと思います.きっとチームに対し自分は何ができるかを松井選手は考えているのだと思います.

イチロー選手のように個人としてよい成績を挙げることも大切ですが,チームを強くするために自分は何ができるかを考えることはとても大切であると思います.学業において,学生の皆さんは,少なくとも大学3年生までは,イチロー選手のように個人としての成績を向上させることに専念していますね.でも社会では,チーム全体の成績を向上させるために自分は何をすべきかを求められることが多いのです.後者のような思考も併せ持つことにより,その人は個人としての高い能力に加え,チームメイトから信頼される人徳をも持ち,きっと個人・チーム共に良い結果を生むことのできる人になるのだと思います.僕自身,そのような人間になりたいと思っており,このようなことを考えさせてくれるNYヤンキースの松井選手は,「やっぱり凄い」と思うのです.

 

2004/10/01金曜日

 

「与えられた環境で夢を持つこと」

だいぶ前になりますが,NHKでフリーターの増加をテーマにした特番が放送されました.今の若い人は,立派に夢を持っているのですね.すばらしいです.しかし,その夢が,タイミングや社会情勢で実現できなかった場合,フリーターという道を選択する傾向にあることに驚きを感じました.僕なんかいい加減な性格のせいか,自分の思い通りにならなくても,とりあえずお金のもらえる仕事についてしまうと思うのですが.その番組で登場した高校生は,洋服が好きなので服飾関係のデザイナーとしての仕事に就きたいと思っていたのですが,なかなか良い就職先が無く,先生や親が製造メーカーへの就職を勧めるのですが,それをやめてフリーターの道を選択したのです.“とりあえず,製造メーカーに就職する”という選択はなかったのでしょうか.例えば,このように考えることはできないでしょうか.洋服を作るには,実際,工場での紡績機械や裁縫機械が利用されると思います.特に,大量生産される洋服であれば,これらの製造機械は無くてはならないものと思います.“とりあえず”製造メーカーに就職すれば,服飾に関係する製造機械に出会うチャンスもあるでしょう.そして,機械に関する知識を持ち,面白くなればその仕事を続けても良いし,それでもデザイナーへの夢を諦められないなら,服飾製造機械に詳しいデザイナーというワンランク上のデザイナーになれるのではないでしょうか.それに対して,フリーターを選択することは立ち止まってしまうことにはならないのでしょうか.

僕自身の経験でも,自分の思うようにゆかないことはたくさんありました.しかし,その都度,与えられた環境でベストを尽くしていると,それまで気づかなかったような面白さに出会ったりします.何でも一生懸命やっていれば,思いもよらない面白さに気づき,新たな夢を持つチャンスになると思います.どうか皆さん,抱いている夢が実現できなかったとき,立ち止まるのではなく,偶然与えられた環境で一生懸命に行動してみてください.そうすると,“新しい夢”に出会えると思います.

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