家路の車窓

2005/12月号

2005/12/5月曜日

 

「鑑賞する映画の傾向に関する考察」

今までに様々な種類の映画を鑑賞してきました.自分で言うのもなんですが,映画に関しては雑食性があると思います.最近のSFもの(バイオハザード2とか)から古典的な映画(12人の怒れる男とか)まで,バイオレンス系(やっぱりバイオハザード2かな)から恋愛映画(なんだろう・・・思い浮かばないな,最近見たのは・・・・)まで,どのジャンルも好きで観ますね.しかし,鑑賞したいと思う映画のジャンルを選ぶときと,自分の研究活動にはある一定の相関性があるのではないかと考えることがありました.

結構難しい理論展開や独自の理論式を考えているときは,SFものとかバイオレンス系の映画を観ていることが多いようです.これらの映画は,あまり脳の中を使って観ることが無いので,研究でいろいろ脳の中を使った活動をしているときには,観たくなるのかもしれません.脳を休息させるという視点から,観る映画のジャンルを選んでいるのかもしれません.結構,事務的な作業が多くなる時期は,人生や人間の生き方を描いた映画(最近では,“ビューティフル・マインド”とか“シービスケット”,“僕はラジオ”かな)を観て,いろいろ考えたりします.不思議ですね.自分が今置かれている状況とは,相反する状況を描いた映画を,好んで鑑賞しているようです.僕の場合,ここに映画を観てリラックスするポイントがあるのかもしれません.

 

2005/12/5月曜日

 

「理想と現実」

僕の研究テーマは,廃棄物や地盤の環境問題であるため,講演等において,企業倫理や技術者倫理に触れることがあります.先日,ある学会からの依頼で特別講演をある大学で行いました.会場となった大学の大学院生にも聴講していただいたようで,たくさんの感想文をいただきました.それを電車の中で読ませていただき,思ったことがあります.今回は,それを題材にいたします.

僕は講演の中で“理想”を述べます.例えば,廃棄物処分の問題では,“私たちの子供たちのために”と謳います.嘘ではありません,心のそこから思っています.しかし,“現実”には費用の問題や技術的な問題もあります.感想文の中には,「“理想”は分かるが,“現実”を見なければ・・・」と言う意見が書かれているものもありました.僕の経歴(単なる大学の先生ではない)を知らないのもありますが,“現実”を直視してきた僕に対して「もっと現実を見ろよ」という学生さんもいるんですね.この学生さんを非難するつもりは全くありません.大学生はもっと社会を知るべきだという情勢からすれば,このような学生さんは,よく社会を知っているのかもしれませんから.

しかし,僕は少し悲しく思います.いずれ社会に飛び立ち,“現実”を受け入れなければならないのです.どの組織にも属していない学生時代から,「“現実”はこんなものだ.受け入れるしかないんだ.」等とは考えて欲しくありません.自分の“理想”を持って欲しいと思います.“理想”を持つとかえってつらい場面に出会います.実社会において“理想”と“現実”という相容れないものを自分の中に共有しなければならないのですから.でも,この“理想”が無ければ,何も発展・進化はありません.“現実”の中でも“理想”を目指している人は,この実社会でもたくさんいます.学生の皆さんには,社会の“現実”がすべて等と思わず,学生時代に自分の“理想”を持つようにしていただきたい.そして,社会に出ても“理想”を持ち続けようという気持ちを失わないで欲しいと思います.

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