家路の車窓

2006/06月号

2006/06/01木曜日

 

「寄席・落語のすすめ」

5月の連休,ゴールデンウィークに上野鈴本演芸場の寄席を観に行きました.僕より若い世代,いや僕の世代,いやいや僕よりも先輩の世代でも,寄席に行ったことがある人は少ないかもしれません.僕は,10年ほど前に,以前所属していた研究所の職場懇親行事として,はじめて寄席を観に行き,これをきっかけに好きになってしまいました.とは言っても,今回で2回目ですが・・・.

寄席は,落語を中心に漫才や手品,曲芸などをかわるがわる見せてくれるもので,昼の部ですと12時頃からはじまって16時頃までやっています.それで大人3000円です.映画よりも割安な感じがしますね.今回は,結構有名な落語家が出演していました.林家いっぺい,鈴々舎馬風,円蔵(本当は,円の字は古い字なのですが),林家正蔵(あの“こぶ平”ですね)など,テレビなどで知った顔が登場しました.

しかし,まぁ,落語家は話しがうまいですね.教員として学ぶ点があるようにも思いました.聴衆を引き付ける話し方,間の取り方が絶妙でした.後で思い返して思わず「ぷっ」と笑い出してしまうように話しの内容を印象付けられたし,絶妙のタイミングで落ちを話す技は,これぞプロという感じです.僕が真似して同じことを言ってみても,間の取り方の違いから,その面白さが半減してしまうと感じました.すばらしいの一言です.馬風なんて,ただ世間話をして聴衆を大笑いさせて帰っていったという感じでした.力の入っていない風を装っていながら,そこに笑わせるプロの技術があると後で感じさせられました.

今回は,僕の母親と我が家族で観に行きましたので,上は70過ぎの年齢から下は5歳の年齢です.子供たちにとって,古典落語はちょっと難しかったようですが,林家正蔵の話しには,全員が笑わされっぱなしでした.10歳になる長男にいたっては,身体をよじって大笑いしていました.すごいですよね,5歳の子供からかなりの年配の大人まで,同じ内容で笑わせてしまうなんて.いや〜すごいものです.

それから笑うということは,とても良い運動になることも分かりました.寄席が終わった時,スポーツをし終わったときのような爽快な疲労感を感じました.とても良いストレス解消になりました.皆さんにも,是非お勧めしますよ,寄席に行くことを.

 

2006/06/01木曜日

「ミスターシービー」

ジャイアンツファンの僕であれば,「ミスター」とくれば「長嶋」と言いたいところですが,今回のお題は,「ミスターシービー」です.この名前を聞いてピンとくる方は,賭け事のお好きな方でしょうか.僕と同じ世代の方でピンと来る方は「なかなかやりますねぇ」というところでしょうか.

「ミスターシービー」とは,20年以上も前にGIなどの重賞レースで活躍した競走馬(競馬馬)の名前です.この競走馬は,それはそれは,僕の心を離さない,何とも魅力的な馬だったのです.いったい何がそんなに僕を虜にしたのかというと,その走り方そのものです.

「ミスターシービー」の場合,スタート直後,ゲートを出ると,まず騎手は手綱を引いて,前に出ることを抑えるのです.そして,馬群の最後尾に付けて第1コーナー,第2コーナー,第3コーナーとずっと馬群の最後尾を走っていくのです.そして,最後尾のまま第4コーナーに突入します.テレビでは,ゴール直前はもちろん,先頭の馬をカメラは追いかけるので,第4コーナーを回ったあたりでは「ミスターシービー」は一瞬テレビの視界から消えてしまいます.すると,画面の右隅(左隅の場合もある)から,猛然と走ってくる「ミスターシービー」が現れると最後尾からすべての馬を追い抜き一気に先頭に踊り出て勝利を勝ち取ります.こんな走り方をする「ミスターシービー」をはじめて見た時,僕は魅了されてしまいました.第4コーナーで最後尾から一気に先頭に出るときなんて,「いけー!!」って感じですね.ものすごく興奮するし,実況中継のアナウンサーも「ミスターシービーが来た!ミスターシービーが来た!ミスターシービーが一気に先頭に出たー!!」なんて興奮して絶叫していましたね.本当に,こんな独創的な走り方をする馬は「ミスターシービー」以外見たことがありません.最近では,競馬もあまり見なくなりましたけど,競馬の番組に目がとまると「ミスターシービー」のような走り方をする馬はいないか探してしまいます.

この「ミスターシービー」が引退する頃の実況を,うろ覚えですが,なんとなく覚えています.「第4コーナーを回って依然,○○(他の競走馬の名前)が先頭.ミスターシービーは,まだ来ない!ミスターシービーはまだ来ない!どうしたミスターシービー・・・」.このアナウンサーも,ミスターシービーが抜いて来るのを待っていたのでしょうね.僕はこのとき,ミスターシービーの時代は終わったんだなぁという虚脱感にも似た感じを覚えました.

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