家路の車窓

2007/010月号

2007/10/01月曜日

 

「本塁でアウトならず!」

先日,長男の所属している野球部が市の大会で優勝したことをお話しました.実は,その大会の前に隣の市の市長杯争奪野球大会に出場しました.ここ最近,このチームは,選手数が少ないにもかかわらず,とても引き締まったプレーができるようになってきました.監督やコーチ陣は,まだまだ上を目指しているし,子供たちも上を目指していることが感じられる雰囲気を持っています.6年生に故障者が出ていることから,あまり良いチーム事情ではないのですが,気持ちの面ではとても良い緊張感を持っていると思います.

我が長男は5年生で,6年生が出場しなければライトで8番で出場するという状況で,隣の市の市長杯争奪野球大会の大会では,6年生を中心に出場し,我が息子はベンチでした.一塁コーチや三塁コーチとして出場し,大きな声で出塁した選手に指示を出していました.親に似て,大きく通る声を持っているのでなかなか良いコーチだったと思います.さて我がチームは先攻で,初回に,四球で出塁した1番バッターが盗塁したり,連打をしていきなり3点を先制しました.しかし,相手のピッチャーは,とても伸びのある投球をする素晴らしい選手であり,その後の追加点がなかなか取れませんでした.その一方で,我がチームの6年生ピッチャーは怪我から復帰して間もないのですが,重いボールとスローボールで,相手チームを内野ゴロに打ち取っていきます.しかし,相手チームの上位打線は,長打力のある選手がそろっていて,何度か2塁打を打たれて徐々に得点され,6回裏には34と逆転されてしまいます.相手チームが4点を得るまでには,本塁に走りこんでくる選手をキャッチャーがブロックしてアウトにしたり,内野手と外野手が連続でトンネルをしてしまったり.しかし,この試合を通じて,エラーというエラーは,この内野手と外野手の同時トンネルぐらいです.しかし,このエラーをした選手たちも含め,最終回7回の表に,四球とバント,内野ゴロの処理を慌てた相手のミスなどで,ツーアウト,2, 3塁という状況になりました.「なんとか打ってくれ」と祈っていると,相手のピッチャーがワイルドピッチで,なんと最終回7回の表で44の同点にまで追いつきました.もうベンチも親やベンチに入れないコーチたちも,手をたたいて大盛り上がりでした.その一瞬,僕は鳥肌が立つような一種の感動を味わっていました.ベンチに入れないコーチ陣と僕は「これがあるから野球は面白い」とか「素晴らしい緊張感のある試合ですね」などと話していました.そして最終回7回裏,相手チームは1番からの打順です.いきなり先頭打者に2塁打を打たれてしまいます.そして2番をなんとかアウトにし,3番は相手チームのピッチャーで強打者です.そして,その打者に外野に運ばれたのですが,外野手は諦めません.前回,好ブロックで本塁でアウトにしたキャッチャーも,外野手の返球を信じて本塁ベースでブロックの体勢をとります.素晴らしい返球が返ってきました!2塁ランナーも必死で本塁にヘッドスライディングで突っ込んでくる.微妙なタイミングです.アンパイアは,「セーフ!,セーフ!!」と叫んでいました.本塁ベースを手で触れた相手チームの選手は,飛び上がって喜んでいました.すると,キャッチャーが腕を押さえてうずくまり,アンパイアが,その腕を押さえベンチを見ているではありませんか.サヨナラ負けをして,キャッチャーまで大怪我をしてしまったら・・・そんな緊迫した雰囲気が漂いました.幸いにして,キャッチャーは大事に至りませんでしたが,最後の挨拶では負けた悔しさから6年生は全員,泣いていました.こちらも泣きたい気持ちでした.ピッチャーは泣きながらクールダウンのキャッチボールを行い,他の選手も泣きながら片づけを行っていました.誰も一言も発することなく荷物をまとめていました.いつもはじゃれ合っている1年生や2年生も,ただならぬ雰囲気を感じ取ってか,いつもの笑顔もありません.いつもは格好いい6年生が負けて悔しくて泣いている姿をはじめて見たのかもしれませんね.「野球はふざけてやってはいけない.真剣に取り組まなければならない」ことを,きっと学んだでしょうね.

いや〜,なんともいえない緊張感を感じた素晴らしい試合でした.プロ野球でもなかなか観ることのできない,映画に出てくるような面白い試合でした.結果は負けでしたが,子供たちにとって学ぶことの多い,きっと一生の思い出に残るであろう試合でした.

 

2007/10/01月曜日

「ベトナムのディスコ」

昨年に続き,またまたベトナムに行ってきました.今回は,ベトナムの国際シンポジウムの運営と研究発表をしてきました.昼は一生懸命,お仕事をして,夜は,ベトナムや他の国からの参加者と交流を大いに深めました.そして,ある日の晩,ベトナムのディスコを体験してきました.

入店してまずはじめにビックリしたのは,ダンスするホールが無かったことです,ディスコなのに.どうしてこれでディスコなのかと思うのですが,直径80cm程度の丸いテーブルがフロアいっぱいに設置されていました.そして,僕たち一行(10人くらいかな)も,いくつもある丸いテーブルの中の2卓に案内されました.そのテーブルの周りに皆で座ってベトナムビールを飲みはじめました.

ちょっと日本とは違う様子のベトナムのディスコも,演奏している楽曲の点では,自分が大学生の頃に行ったディスコと同じような感じでした.生バンドが演奏する時間があって,バラードが演奏されて,よいムードになります.と思っているといきなり,細川たかしが歌ってそうなポップ演歌が熱唱されたりしました.この点はちょっと日本と違うかな.その後は,1990年代のバブル期にはやった「ジュリアナ東京」の雰囲気で,”Everybody! Dance now!!”なんてはじまるのですが,誰も踊っていない・・・なんとも不可思議な組み合わせですね.

もう一つビックリしたことは,ホール内にいる大勢のセキュリティーの方々です.しかめっ面して,腕を胸前に組んで立っていて,盛り上がりすぎる人たちを監視しているのでしょうかね.

そんな雰囲気と演奏を楽しんでいると,周りの人たちの動きが目に入ってきました.ずっと面白くなさそうに座ってバンドを見ている二人組の女性たちがいるかと思うと,どう見ても僕と同い年のおじさんが,丸いテーブルの周りで「わかめ」のようなダンスをしていました.よ〜く周りを見ると,踊っている人たちは皆,少し照れながら丸いテーブルの周りで身体をゆすって踊っていました.ふ〜〜ん,ベトナムのディスコでは,こんな感じでダンスを楽しむのですね.でも結局僕たちは,日本のノリで行くしかありませんから,同行したハワイ大学の先生も一緒に,ノリノリでテーブルの周りで盛り上がってしまいました.What a night!って感じですかね.

ベトナム・フエの風景

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