家路の車窓

2008/04月号

2008/04/01火曜日

 

「年度末に想う・・・」

年度末というのは,年末とはまた違う趣がありますね.“別れと出会い”の季節だからでしょうか(普通は,“出会いと別れ”の順に書くのでしょうが,大学の年度末では,別れが先で,出会いが後ですので).3月末に卒業式があって,何となく寂しいなぁと思っていても,あっという間に4月,新学期となり,あわただしい毎日に忙殺されながらも,新入生との顔合わせを行うと,また賑やかな毎日となります.研究室にも,新4年生が配属されて,6月にもなると随分前から所属しているような感じになります.2ヶ月前に卒業していった学生の皆さんも立派な社会人となって,ときどき顔を見せに来てくれたりするのですが,「もう卒業して何年だっけ?」なんて尋ねてしまう始末です.こんな一年を繰り返しています.

学校というところは,新陳代謝が激しく,自分の周りが目まぐるしく変化していくのは認識できるのですが,相対的に自分だけが変化していないような,つまり自分は大して年を取っていないような錯覚をしてしまいます.自分の周りで経過する時間と,自分自身において経過する時間が違うような感覚になります.一種の相対性なのかもしれません.大学を離れるとき,浦島太郎のような感じになってしまうのではないかな.ちょっと怖いですね.学生の皆さんを,社会に旅立たせることが使命である教員家業の宿命なのかもしれませんね.

 

2008/04/01火曜日

「4月1日と不安そうな顔」

今,4月1日の早朝,大学に向かう電車に乗っています.僕がいつも乗る車輌に,真新しいスーツに身を包み,どこか所在無げな感じの青年が数名おります.新社会人でしょうね.見ていると,こっちも緊張してしまうぐらい,緊張感が伝わってきます.みんな,不安そうな顔をしています.そんな不安そうな顔を見て「気負わずに頑張って!大丈夫だから,なんとかなるから」と心の中でメッセージを送りました(余計なお世話だな,きっと).

下り電車なので乗客数も比較的少なく,新社会人が目に付いたのかもしれません.上り電車のホームを見てみると,新社会人らしき人は目に付きません.実際には,多いのでしょうが,多くのサラリーマンの集団に埋もれてしまって,隣のホームからでは分からないのでしょう.「負けるな!自分を主張しろよ!」と,やはり心の中でつぶやきます(ますますもって,余計なお世話)

この3月まで一緒にいた学生諸君も新社会人となって,どこかの車輌で,このような不安そうな顔をしているのでしょうか.「大丈夫,大丈夫だから.」

僕も,新社会人になって研究所の寮に入寮した日や転職して大学にはじめて向かう電車の中の風景など,よ〜く憶えています.不安で仕方なかったですね.でも,なんとかやってきました.そんな経験を通じて新社会人の方々に伝えたいです.「きっと良い人たちとめぐり会い,楽しい生活,人生が待っているよ.」 

メニューへ戻る