家路の車窓

2008/09月号

2008/09/01月曜日

 

「同級生と教え子,一緒くたの飲み会」

先日,自分の専門分野の学会が広島で行われました.大学時代の同級生が広島で公務員をやっていたり,同じく同級生が学校の先生になっていたりで,このような学会を機会に旧交を温めたりします.また,教員になると毎年,教え子たちが社会に旅立って行きます.工学系は,専門の業界に人材を輩出することが多いので,このような学会には,教え子たちも集まってきたりして,やはりこの機会に一杯やろうということになります.教え子の中には,学会の開催地である広島の支店に勤務している場合もあり,これもまた,この機会に,ということになります.さらに僕の場合は,学会を通じてお友達になった人も多く,この人たちとも一杯やることが恒例となっています.

こんな状況で,学会の開催期間(通常3日間です)において,それぞれ別々に飲む機会を設定するのはとても難しいですね.ということで,今回は「え〜い,一度にやっちゃおう.皆を紹介して友達にしちゃおう」というノリで,広島で飲みました.どんな風になるのかな?と思っていましたが,とても楽しかったですね.大学時代の友達が「こいつが先生だと,大変だったでしょう?」とか,教え子に話していたりして,ちょっとドキドキもんですが.まぁ日頃から「教師には,“反面教師”というのもあるのだ!」と嘯いていますので,気にもなりませんが(こう書いていること自体,気にしているのかな・・・).

実際,自分の性格ですから変えようもありませんしね(開き直り!).教員というのは,“自分自身”をそのまま,学生たちにぶつけてみることしかできないと最近感じています.教員に対して“共感”を持ってもらえたら,それは,その学生の成長のきっかけになるかもしれません.しかし,教員に対して“反感”を持ったとしても,それはそれで,反感を持った学生の成長のきっかけになるのではないでしょうか.

自分の学生時代を知っている友人と自分の教え子の交流は,何ともいえない“スリルとサスペンス”と共に,とっても懐かしい気分にさせてくれました.

 

2008/09/01月曜日

「女子高ではないけれど,女子高生だけの前での模擬授業」

現在,大学では入学者の確保が重要な案件の一つです.このような背景から,オープンキャンパスや公開授業,高校への出前授業などなど,いろいろなイベントが行われています.大学の権威と伝統を重んじる方の中には,このような活動を「最高学府としての権威の失墜である」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね.しかし,僕は,このような活動はとても重要であると思っているし,実際,毎年67校の高校に出向いて模擬授業を行っています.何より高校生に授業を提供するのが,とっても楽しいので,一生懸命やらさせてもらっています.

僕が高校生のときには,大学の先生が高校に来て授業するなんてことは全くありませんでした.ですから,大学で一体どんなことをやっているのか,専門分野の中身も分からず,大学や専攻学科を選んでいましたね.その判断基準は,予備校が提示する数字などで判断するしかありませんでした.やはり専門分野や大学の本質を見て,しっかり見定めてもらいたいと思います.自分自身が大学の教員になってみると,なぜ自分の大学や専門分野を高校生に紹介して,本当の姿を見てもらおうとしなかったのか,全く持って疑問に思います.このような考えから,高校への模擬授業に積極的に行っています.特に僕の専門である「土木工学」は,どういうわけだか誤解されがちですので,「土木の誇り」という教材を作って高校生に講義します.

実は先日,伝統ある県内有数の県立進学高校に,「土木の誇り」を講義してまいりました.県内の県立高校は男女共学になりましたが,伝統高校は元来,男子高校と女子高校に分かれていました.僕が訪問した高校は伝統ある県立女子高校で,男女共学に移行しても男子学生の入学がないそうで,女子高校生だけがいる男女共学高校です.その中の理科系進学希望者のクラス40名程度の女子高生の前で「土木の誇り」を講義しました.

いつもの大学での講義と違うんですねぇ〜.僕が教壇に立って,「ハイ,皆さん,こんにちは」って言っただけで,「ブハッ」っていう感じの大笑いが出ました.“なんで?”と思って,「うん?何かおかしい??」と聞くと,「・・・声が大きいです」と.なるほど,そういうところにも笑いのツボがあるのね.でも皆さん,とても真面目で熱心に講義を聴いてくれて,質問もたくさんしてくれました.さすが伝統校ですね.ある土のお話をしているとき,「この土はねぇ〜,活性炭が入っているから,色が“真っ黒”なんだよ」と話していたら,また,“ガハッ!”っていう感じの爆笑がきました.おっ?どこがウケたんだ?と思っていると・・・「先生の色も黒い・・・(少年野球指導で真っ黒に日焼けしています).」そっかー,そう来るんだぁ.

“箸が転んでも可笑しい”年頃とは,よくいったもんですね.なかなか楽しい講義をさせていただきました.これも高校での模擬授業の楽しみです.

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