家路の車窓

2009/10月号

2009/10/01木曜日

 

「海外出張先で出会った食べ物」

いろいろな国に出張で行きました.この10月も国際会議でエジプトに出張いたします.海外出張は楽しそうに思われますが,実際は緊張していて結構疲れます(人によりますがね).その緊張を緩和させてくれるものの一つに,ご当地での食事があります(これも人によるかもしれません).食事が合わずにストレスになる人もいると思いますが,僕の場合は,結構挑戦的にいろいろなものを口にしてみます.まずかったらまずかったで「あの時,あそこで食べた○○は,まずかったなぁ」と思い出話ができるからです.おいしかったものは,そのとき限りですし,帰国して食べる日本食にはやはり負けてしまうから,思い出に残らないように思います.

今まで食べてきて「これはまずかった」と思うのは,ドイツのハンブルグから電車で1時間ほどいったところにあるリューベックとかいう港町で食べた“ラプスカオス”という料理でした.バケツみたいな入れ物に,生の肉(何の肉だったかな?)に生卵がのっていて,スプーンでよくかき混ぜてからたべるというものです.その味は,なんて表現したらよいのか・・・・.まぁ,生肉に,生卵ですから,野生の動物になった気分になるというか,なんと言うか・・・・表現しようがないですね.味があるような無いような・・・でも,とにかく臭いがきついですかね.それでバケツみたいな入れ物に入っていますから,延々とその味気のない味と臭気の連続に閉口してしまうという代物です.このラプスカオス”という料理は,ご当地では売りの食事のようで,ご当地のパンフレットや案内には「是非,ご賞味を」という感じで紹介されていました.しかし,いざ食べてみると,感想を述べる気にならない代物でした.一緒に行った知り合い(私の所属する学会の方々でした)も,みんな,同じ感想だったようで,食べ進めていくうちに,皆一様に無口になっていきました.世界には,いろいろな食べ物があるものだなぁと思いました.でも不思議なことに,海外出張先での食事の思い出というと,このときの食事が思い出されます.そして,また食べてみたいなぁ,なんて思うことがあります.

(注)今回,高校の同級生から,町の名前などについて添削いただきました.ありがとうございました.

左が“ラプスカオス”です.真ん中のボールに生肉をミンチにして生卵が落とされていました.まぜまぜして,お皿にとって,味は・・・飽きることこの上ありません.右はリューベックとかいう町のお城の門です.世界遺産らしいです.このお城の門の中は・・・拷問器具がいっぱい・・・実は,結構,はまっちゃいました.三角木馬というのをはじめて見ました.人間は,恐ろしいものを考えますね.やっぱり,人間の心の中には悪魔が住んでいるのかも!?

 

2009/10/01木曜日

 

「ドリフとナインティナインとチャップリン」

我が家族は,揃いもそろって,お笑い番組が大好きです.ケーブルテレビでは,昔のドリフターズの番組が再放送されていて,親子で笑って観ています.長男も長女も,真っ白に白粉を塗った志村けん扮する“バカ殿”が大好きで,帰宅したお迎えの娘の第一声が,「パパ!,バカ殿やっているよ!!」というときもあります.夕食を食べながら,息子・娘とその日の学校であったことを話していると,いつの間にか,学校から帰った後に観た「バカ殿」番組での志村けんのギャグの話になってしまったりすることもあります.

ドリフターズは,僕が小学生の頃,大活躍していて「8時だよ,全員集合!」という番組をやっていました.当時,親が子供に見せたくないテレビ番組の1位でした.確かに,ちょっとヒワイな部分もあったりで,親の立場になった今,「そりゃ,そうだろうな」と思うことがあります.

ところで今,親が子供に見せたくないテレビ番組に,ナインティナインの番組があるようです.この番組に限りませんが,最近のお笑い番組の中には,誰か弱い立場の人をいじめて笑う番組があるように思います.先日,長男とナインティナインの番組を見ていて,いわゆる“イジメ”に相当するような場面が出てきたときに,“イジメ”を行ったナインティナインの岡村に対して長男は,「僕,この岡村に物凄く腹が立つ.ふざけるなって感じだ!」と語気を荒くして言っていました.正直,ちょっとびっくりして,学校でこのようなイジメのようなことがあるのか訊いてしまいました.幸い,そのようなことは無いようでしたが,「クラスで誰かがこのようなことをしていたり,されていたら,パパに正直に話してくれ」と言いました.また,長男自身に「自分自身がふざけるなと思うようなことを,人に対して行ってはダメだよね」とも話しました.

ここでドリフターズの笑いを振り返ってみると,ちょっとヒワイな部分があるのは確かですが,気分の悪くなるような笑いはなかったように思います.見方を変えれば,いかりや長助を志村けんや加藤茶がいじめているように見えますが,いかりや長助は絶対的な権力を持っているリーダーであり,志村けんや加藤茶も,その権力に対して,ギャグで少しでも対抗しようという構図であり,先のナインティナインの番組で見られる弱い者いじめではないのです.ここにドリフターズのお笑いのポイントがあるように思います.

また,このドリフのお笑いの構図は,実はチャップリンの映画から学んだのではないかとも思いました.先日,チャップリンの「街の灯」と「ライムライト」のDVDを購入して,早速,子供たちと観たのですが,二人とも喜んで鑑賞していました.どちらも日本語吹替えではないし,「街の灯」にいたってはトーキー映画(無声映画)であるにもかかわらず,チャップリンの演じる絶妙なパフォーマンスに,小学生の子供たちは見惚れていました.そこには,ヒワイな部分も,不愉快な気持ちもない,素直に笑えるパフォーマンスが演じられていました.さすがチャップリンですね.ドリフターズでも及ばない部分がありそうだし,今のお笑い芸人たちにはお手本にしてもらいたい喜劇役者ですね.

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