家路の車窓

2010/09月号

2010/09/13月曜日

 

「学会の研究発表会と交流会,そして“悪い”お友達」

この季節は,自分が研究活動を行っている分野の学会が主催する研究発表会が開催されます.僕の場合,とても大切にしている学会が二つあります.一つは,“地盤工学会”といって,地球の表面部位に存在する“土”の研究を行っている人たちの集まる学会と,もう一つは,“土木学会”といって,自分の研究成果等を社会還元するための学会です.今回は,地盤工学会が主催する研究発表会の様子をお話しましょう.

地盤工学会の研究発表会は年に一度,開催されるもので,北は北海道から南は沖縄まで,様々な都市で開催されてきました.今年は45回ということで,45年も継続している研究発表会なんですね.僕も大学院の1年生のときに学会デビューして以来,一度も休むことなく,今日まできました.発表も欠かさず行っていますので,もう何十回目になるのでしょうか.

長年やっていると,新しい研究を誇らしく発表する学生さんがいると,ちょっかい出したくなるんですね.必ず質問をします.ちょっと意地悪な質問をあえてします.どれだけ立ち向かってこられるかを試しています.いやらしいですねぇ.

そんな学会の研究発表会の楽しみの一つに,交流会があります.3日間の中日の夕方に,交流会はセットされていて,毎年,参加しています.もう古くから交流している方々と,お会いして,お酒を酌み交わしながら,近況を報告し合っています.職場が同じだったとか,大学が同じだったとか,全く関係ありません.たまたま,どこかの国際会議で一緒になって,一緒に食事をしたら,意気投合して仲良くなっただけの方々がほとんどです.意気投合したから一緒に仕事をしようということになって,多くの仕事を担当したりしました.そんな人たちです.交流会というと単なる遊びのように思われがちですが,人とのつながりを醸成して仕事につながるのですから,とても有意義なものと思います.

今回の交流会では,元上司の先生にはっぱをかけられたり,教え子が立派な研究者として参加していたり,僕が委員長を務めていたある技術委員会の運営を担当された方がいらっしゃったり・・・でも,やっぱり,最後は,“いつもの”古いお付き合いのお友達と一緒に夜の街に出かけました.200名以上も参加している交流会なのに,不思議と会場で目が合うんですね.以心伝心でしょうか.交流会もそろそろお開きという頃になると,そんなお友達たちが「じゃぁ,そろそろ・・・」なんて感じで.“いつもの”メンバーの人がいなかったりすると,携帯電話で「どうしたんすかぁ?」とか.なんかこんな感じだと,学生時代の“悪い”仲間のような感じですね.実際,これらの“悪い”お友達は,職場が近いわけでもないので,学会などでお会いしたときに,ここぞとばかりに飲み歩いたりします.学会の発表会だけではありません.“悪い”お友達の誰かが,学会の委員会活動などで東京に出てきていたりすると,夕方飲んでその勢いで携帯電話に呼び出しのテレフォンコールがかかってきます.娘とそろそろ寝ようかという時間に,突然,僕の携帯電話がなって,「あっ,コミネくん?今何しているの?今さぁ,東京にいて,○○さん(この人も“悪い”お友達のメンバー)と飲んでいるんだけどさぁ.出てこない?」なんて感じです.このような電話がかかってくるのは,たいてい11時を過ぎた頃で,本当に東京に向かったら,帰ってこられない時間です.まさに,“悪い”お友達という感じですね.

しかし,学問を志向する仲間の中なら,このように親しくさせてもらえる交流ができる環境に感謝したいですね.そうそう誤解があってはいけないので.こんな“悪い”お友達と飲んでいても,いつも“正しい教育とは?”とか“世に残す研究内容とは?”など,高尚な議論をしているのですよ.見た目と素行の感じが悪いというだけですので,誤解のないように.

学会恒例の記念撮影です.今年は,愛媛県松山市での開催でした.「坂の上の雲」の舞台ですね.

こういうのも楽しみの一つですね.

 

2010/09/13月曜日

 

「携帯電話と留守電付き電話と電子メール」

僕は携帯電話とか留守電つきの電話が大嫌いです.電子メールがいいですね,連絡を取り合うのであれば.電話は大変失礼な機械であると思っています.特に,電子メールを使い始めた頃,おそらく1994年頃だったと思いますが,その頃から電話が嫌いになりました.誤解されないように言っておきますが,直接言葉を交わすのが嫌いということではありません.僕と直接お話したことがある方であればお分かりいただけると思いますが,面と向かってお話しすることは,とっても大好きな人間ですから.

僕が電話を嫌う理由は,僕がそれまでに行っている様々なことを途中でやめて,電話を取れと言われているような感じがするからです.学生の皆さんと面談して,時々熱くなって話していると“リ〜ン・リ〜ン・リ〜ン”となって,大した用件でなかったり,マンションの売り込みだったりすると,とても不愉快になってしまいます.そして学生さんとのお話に戻ると「あれっ?なんだっけ?」となってしまいます.大体,電話で話が来ても至急対応できないことも多いのですから,電子メールで十分だと思います.以前所属していた研究所では,数多くの実験をしておりましたが,実験室にも外部から交換手を通じて電話がかかってきました.実験の真っ最中であれば,“絶対に”電話は取りませんでした.今その瞬間は,実験の実行がもっとも大切なことであるにもかかわらず,それを途中でやめて電話に出たら「あの〜はじめてお電話させてもらいます.個人マンションの経営の・・・・」・・・ふざけるなー!ってなりますよね.上司や同僚からの業務に関する電話であっても,研究者・技術者にとって,実験や現場での作業以上に大切な内容はほとんどありません.それでも,電話は早く受話器を取って出なさいと言わんばかりに“リ〜ン・リ〜ン・リ〜ン”となります.やはり電子メールが良いですね.実験が終わった後に,確実に内容を確認し,しっかり対応することができます.僕は,電子メールが好きです.何度も繰り返しますが,人と直接お話しするのが嫌いということではありませんよ.

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