家路の車窓
2011/10月号
2011/10/11火曜日
「京都に4日間・・・」
地震のお話はいつか,書こうと思いますが,まだ,気持ちの整理がつきませんね.さて,そんなことの気分転換ではありませんが,ごくごく最近のお話をしたいと思います.先日,僕の学問分野のシンポジウムと日米ワークショップが京都であり,4日間も京都に滞在しました.こんなに長いこと,京都にいたことは,なかったように思います.親しくさせていただいている京都の大学の先生も,「こんなに長く京都にいたことないでしょう?」と言われました.確かにそうですね.
京都ですから,名所旧跡に行ったと思われるでしょうが,シンポジウムとワークショップで会場に缶詰め状態でした.後半の2日間は,日米・・・ですから,ほとんど英語が公用語状態でした.でも,そんな状態ながらも,京都らしいものをいくつか見つけました.
まずは,京都について昼食をとったのですが,選んだのは最近はまっているつけ麺です.京都にもあるのかなぁと思いながら,目についた麺屋さんに入ったところ,つけ麺らしきものがありました.面白いことに,このつけ麺,チャーシューなどがついているのではなく,京都のお野菜が添えられていました.この品の良いヘルシーっぽさが,「京都に来た!」という実感を持たせてくれました.
次に,日米ワークショップで大阪までテクニカルツアーに出向いたのですが,その道中にいただいたお弁当が,いかにも京都らしいものでした.ちっちゃいプラスチックの器に,いくつもの香り御飯と御番菜ですね.食いしん坊の僕は「腹いっぱいになるのかなぁ」と思ったのですが,ゆっくりと食べるので,しっかりと満腹感を味わいました.しかも,「う〜,腹いっぱいだぁ,食い過ぎたぁ」という状況ではなく,なんとなく心地よい満腹感です.
そしてもう一つ,日頃親しくさせていただいている大学の先生たちと楽しく飲んだ後,京都のラーメン屋さんに行きました.深夜にもかかわらず,行列のお店でした.このラーメンは,今までの御番菜の印象とは正反対のものでしたね.見た目はあっさりとしていましたが,なかなかのボリュームでした.でも,とてもおいしいラーメンでしたね.今度は,家族で楽しみたいですね.実は,我が家の女性陣は,京都が大好きなので.
左:どうです?御番菜弁当,右:薄切りチャーシューはあっさりした感じですが,食後は充実感
2011/10/11火曜日
「中学時代の京都修学旅行とすき焼き」
京都には,中学の修学旅行ではじめて訪問しました.あのときも,食べ物で衝撃を受けた記憶がありますね.初日の夕食が「すき焼き」だったのですが,作り方が違って,すき焼きのはずが「焼肉」になってしまいました.東京の我が家のすき焼きは,初めから食材を汁で煮て作られていました.母親が作ってくれていたので,細かい順番は分かりませんが,食卓に運ばれてくる段階では,肉と野菜は汁に入っていて,生卵が用意されていました.しかし,あの京都修学旅行の夕食ときの「すき焼き」は,肉・野菜と汁が別々に運ばれてきました.どうも肉を少し焼いてから汁を鍋に入れて作るという段取りのようでしたが,食いしん坊たちばかりの中学生に「理解しろ」というのは無理だったようです.僕を含めた同室の同級生は,「夕食はすき焼き」と聞いていながら,少し丸みを帯びた底の鉄製すき焼き用の鍋に,肉の横に添えられたラードを塗り,肉をしっかりと焼いて,近くにあった醤油をつけて食べてしまいました.鍋と食材と一緒に,大き目の急須のようなものに入れられた汁に気づくこともなく・・・.このときの鍋は,いつもの大きな鍋(おでんのときにも使っている)と違って,鉄製のちょっと小さめの鍋だったこともあり,完全に勘違いしていました.焼肉と焼き野菜としてすべてを食べつくした後,誰かが「あれっ?夕食は“すき焼き”って言ってなかったっけ?俺たちが食べたのは,完全に“焼肉”だよなぁ」と言いました.京都では“焼肉”を“すき焼き”って言うんじゃないのかという意見まで出される始末・・・.そして,そんな議論の中,僕がお茶でも飲もうかなと思って,一緒に持ってこられた大き目の急須のようなものから,お茶を注ごうとしたら,ドロッとした醤油ベースの液体が・・・.
今では,ちょっと高級なレストランで,この京都修学旅行スタイルですき焼きが運ばれてくることを知っています.しかし,当時の僕たちには,到底無理な注文でしたね.先日の京都滞在で思い出した中学時代のお話しでした.