家路の車窓
2012/5月号
2012/05/09水曜日
「ある政治家の評論を読んで,〜定量的表現と定性的表現の功罪〜」
ある学会誌に,ある政治家の原子力エネルギー政策に関する評論が掲載されていたので読んでみました.「家路の車窓」では,思想や哲学の是非について論じないことを心がけていますので,原子力エネルギー政策等の賛成・反対を論じるつもりはありません.ただ,この政治家の評論を読んで,ある傾向に気付いたので,考察的に感想を述べてみたいと思っただけです.
さて,
この政治家は,原子力エネルギー利用に対して消極的な立場をとっている方です.国の提示した年次計画や予算規模などについて,数字を挙げて定量的に,計画と実際の差異を指摘し,極めて,論理的に指摘していると思いました.僕自身は,この政治家が述べているデータを,“自分の目で確認していない”ので,その真偽は分かりませんが,論述としては通っていると感じましたね.このように,“国や事業者”が“定量的に提示している数値”が,実際と違うことを指摘して,最終的には,現在の原子力エネルギー政策に異議・反対を主張しています.「なるほど」と思うこともありました.
さてさて,
反対するのはいいのですが,それではこれからの日本は将来どうするのかと思って,この政治家がどのような考えなのかを知りたくなりました.読み進めていると・・ありました.例えば,原子力発電によって発生する放射性廃棄物の処分の問題について,この政治家の考える今後の方針が記されていました.でも3行程度の内容でした.この問題に関する異議・反対にたどり着くまでの論述は,“国や事業者”が“定量的に提示している数値”の実際との齟齬を論理的にA4版の1/2ページを使って,極めて論理的に説明していました.
ところが,「じゃぁ,どうするか」という意見は,たった3行でした.そして,その内容は,「かなり長い期間,貯蔵するほかないのではないでしょうか」という記述でした.この発言が,原子力政策大綱の精神に整合するかを述べるつもりはありません.内容のボリュームも問題にするつもりはありません.ここで僕の言いたいことは,「あれ,自分の主張するときは“定性的”なんだな」ということです.
これは,ちょっとズルいなと思いましたね.ディベートを武器にする政治家としては,ルール違反のように思いましたね.だって,攻める相手,この場合は“国や事業者”ですが,彼らは政策や計画について数値を“定量的に提示している”わけです.そして,その計画が実際と食い違ってきていることから,その点を強く指摘して「政策がうまくいっていない」と論じるわけです.論理的ですね.ここでのポイントは,主体が明確である,つまり“国や事業者”ですね.そして,数値が定量的に提示されているわけですから,その数値の違いを“指摘しやすい”わけです.
それでは,この政治家のアイデアである「かなり長い期間,貯蔵するほかないのではないでしょうか」という主張はいかがでしょう.“かなり長い期間”って,どのくらいか,定量的に述べられていません.それから,“誰が”貯蔵するのか,記されていません.つまり,このアイデアに異議・反対を述べようと思うとき,誰に向かって言えばいいのか不明です.それから,定量的な数値が提示されていませんから,異議・反対の根拠となる定量的な齟齬を指摘できません.定性的表現は,ときに,悪用されがちなんだなと感じました.
このような思考を持って,今,世の中で論じられている議論を眺めてみると,正々堂々と議論されているようには思えないですね.定性的なアイデアではなく,具体的な数値を提示した内容・計画で議論されるべきと思います.その点でも,教育の現場では,学生たちに「定量的思考」を徹底的に教育していきたいと思います.
2012/05/09水曜日
「黒酢と温めた牛乳の効能,そして・・」
最近,研究室で学生さんが風邪にかかりやすいので,このような話題も.
黒酢を薄めて飲み始めて,かれこれ10年になります.10年前にテレビで,健康ブームをテーマにした番組を観たのがきっかけですね.確か“飲みやすい黒酢”を紹介していって,早速,スーパーマーケットに行って購入したのが始まりです.「黒酢は飲みにくいのでは?」と思いましたが,意外に,そうではなかったですね,僕にとっては.まぁ,かなり薄めて飲んでいるのですが.でも,飲み続けてみると,風邪をひきにくくなったと実感しています.病は気からと言いますから,本当の効能は分かりませんが,本当に,風邪をひきにくくなったなぁと実感します.皆さんも,是非,お試しください.ちなみに僕の飲んでいる黒酢は,ミツカンの黒酢です.僕の場合は,仕事中にこまめに飲みのと,夕食と一緒に一杯飲むことを続けています.さっぱりするんですよね,口の中が.
もう一つ,最近はじめたのは,夜寝る前に,人肌程度に温めた牛乳をコップ一杯,飲んでいます.さらに最近では,誕生日に学生さんもらったのがきっかけの黒烏龍茶,そして,青汁です.こうなると,どの飲み物が健康維持に効能があるのか,まったく分かりませんから,どれも飲み続けているという状況です.