家路の車窓
2012/8月号
2012/08/01水曜日
「適正価格」
今,電車の中で,旅行会社の広告を見ています.海外旅行の2泊目の宿泊費が1円という内容です.ありえないですよね,常識的に考えて.もちろん,なんらかカラクリがあるのでしょう.利益を上げないはずはないのですから.携帯電話も,機種がゼロ円というのも,信じられません.
でも今,このようなことは当たり前であるかのような錯覚に陥っていますよね,みんな.こういうことが当たり前のように感じられてしまうと,自分のお金を,まともに正規の料金で支払うことがバカらしくなってしまうのではないかな.
でも,必ず何らかのカラクリがあって,売っている側は儲けているはずなんですよね.しかし,支払う側は,正規の料金でお金を支払うことがバカらしく感じるような気持になってしまう.商売によっては,このようなカラクリが作れず,真っ向勝負の正直な正規の料金で取り引きしなければならないものもありますよね.ところが,世相は上記のような,正規の料金でお金を支払うことをバカらしく感じる人ばかりになると,成り立たなくなります.
やはり商品には,適正な価格というものがあるはずです.適正な価格を提示し売買するべきではないでしょうか.売る側は,商品の品質に責任を持つべきであり,責任を持つ以上,それに対応する価格を求めるべきと思います.一方,購入する方は,売る側の責任を感じとり,感謝の気持ちを持って購入するべきではないでしょうか.売買とは,売る側,買う側とも平等であり,公平であるべきと思います.売買とは,「我々の商品の品質を評価してくれてありがとう.責任を持って売ります」という気持ちと「良い商品を提供してくれてありがとう.その対価として,適正な価格を支払います」という気持ちの交換だと思います.このような状況が崩れているので,手抜き事業や詐欺が横行するのではないでしょうか.